コミュニティに存在する10の価値

コミュニティに存在する10の価値

こんにちは。コミュニティフリーランスの長田(@SsfRn)です。

ここ最近、コミュニティを仕事にしている人が増えてきて、「コミュニティの数値化」について課題を唱えている声をよく耳にするようになりました。

僕自身も、そこには課題感を持っているのでとても共感しています。しかし、「じゃあそれについてどう考えていけばいいのか?」となった時、なかなかしっくりくる答えを出せないんですよね。

というかその前段階として「コミュニティの価値って何なのか?」を明確にしないうちは、数値化なんてできるはずないんですよ。だって、どの部分を数字にすればいいのかわからないのだから。

ということで、僕なりに「コミュニティ価値」についてまとめてみました。何かの参考になれば嬉しく思います。

2種類のコミュニティ価値

コミュニティの価値を羅列していく前に、まず大きく2種類の価値があることについて話していきます。

簡単に言うと、「コミュニティの価値をどの視点から見るか?」という考え方ですね。

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マネジメント価値は、「ユーザー視点から見た時、コミュニティにどんな価値があるか?」を示した価値。

そしてマーケティング価値は、コミュニティ運営視点(企業・団体)から見た時、コミュニティにどんな価値があるか?」を示した価値です。いわゆる、コミュニティマーケティングで語られる価値はこの部分になります。

この2つの視点がごちゃ混ぜで語られてしまうこともありますが、ここはしっかり分けておかないと話が分裂することになりますので、ご注意ください。

マーケティング価値だけを欲している人に、マネジメント価値の話をしてもすんなりわかってもらえないのです。

それぞれの価値について解像度を上げていくと、いくつか細分化することができます。次にそれを見ていきましょう。

4つのマネジメント価値

マネジメント価値には、大きく4つの価値が存在します。

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1つめの居場所価値は、コミュニティそのものを”居場所”と感じている価値のことです。メンバーがコミュニティに対してアイデンティティを感じるには、この価値を上げていくことが必要になります。

そのためには、2つの要素が必要です。安心感や役割があることで、居場所という認識を持つことができるのかな、と僕は考えています。

《居場所価値に必要な要素》
①ありのままの存在が肯定されている(安心感)
②役に立っている(役割)

2つめの自己実現価値は、会社や団体ではできない自己実現へ挑戦できる価値のこと。自己実現が達成されることではなく、挑戦できることに価値があります。

それらを感じてもらうために、コミュニティとして必要な要素は大きく3つです。背中を押してもらえたり、きっかけがあるコミュニティはここの価値が強くなります。

《自己実現価値に必要な要素》
①挑戦することにポジティブなコミュニケーション
②応援し合う文化
③挑戦のきっかけがある

3つめの学習価値は、専門的な知識や情報を共有し合い、自分一人よりも学びが深められる”学ぶ場”としての価値です。

そのために必要な要素としては、大きく2つ。情報を共有できるタイミングはなるべく広げた方がいいと思います。なので、オンラインコミュニケーションツールの活用が必須ですね。

《学習価値に必要な要素》
①いつでも情報共有できるオンライン空間
②教え合うことを受け入れる文化

そして4つめの対話価値は、対話をし、各々の価値観を深めていくことができる価値のことです。情報として学ぶというより、自分を深めるというイメージですね。

ここで必要になる要素は、3つです。そもそも、対話には”尊重”が必要不可欠なため、相手の意見を尊重し合う文化をつくる必要があります。これがないと対話は成り立ちません。

《対話価値に必要な要素》
①尊重し合う文化
②対話する機会の創出
③自由に対話ができる環境

このように、メンバーが感じる価値は様々です。中にはここに記されていない価値を感じている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、大体はどれかに当てはまるのかなと思います。

さて、続いてはマーケティング価値の中身を見ていきましょう。

6つのマーケティング価値

マーケティング価値は、大きく6つ存在すると考えています。ここは、カーシェアサービス「Anyca」のマーケティング責任者である宮本さん(@mMasanao)の記事を参考にまとめました。

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1つめの知識価値は、そのサービスにおけるノウハウや体験を、企業や運営に対して共有してくれる価値です。簡単にいうと、ユーザーの声を拾えるということですね。

近い距離にいるため、リアルな声を聞きやすい環境。それを企業として活用した価値になります。

2つめの共創価値は、ユーザーとともにサービスの改善をしたり、一緒にイベントやコンテンツを創っていく価値のことです。

ユーザーと記事を共作するメディアや、一緒にイベントを生み出すメーカーの事例などもここの価値に当たります。

3つめの影響価値は、ユーザー発信の口コミやSNSでの投稿、いわばUGCと呼ばれるものが生み出される価値のこと。

Twitterでサービスや商品のことをツイートしているユーザーがいますよね?それがまさに影響価値です。この部分については、下記のリンクに詳しく説明されています。

4つめの紹介価値は、コミュニティメンバーの紹介で新しくユーザーが増えたり、リファラル採用が生まれたりする価値です。

広告で新規ユーザーを獲得しにいくより、質の高いユーザーが集まってくるのも、この価値の特徴ですね。同心円上に広がっていくイメージを持つと、わかりやすいのかなと思います。

5つめの生涯価値は、ユーザー1人あたりの生涯におけるサービス利用量、消費量が増える価値のことです。一般的に言われているLTVの向上ですね。

満足度が高まることにより、どんどんサービスに愛情が湧き、自然と利用する量が増えていくんです。メーカーにとっては、とてもわかりやすい価値だと思います。

そして最後6つめが文化価値。これは、サービス自体が生み出しきれない文化を、ユーザーと一緒に生み出すことができる価値のことです。いわゆるブランディングの文脈。

Anycaの宮本さんは、「文化を創造していくにはサービス(企業側)だけではできない」といいます。ユーザーと共に活動して、初めて生まれるもの。だからこそ、企業はコミュニティに着手していかなくてはいけないんです。

ここに関しては、下記の記事でフレームワーク付きで紹介されているのでご参照ください。

参照記事:なぜカスタマーと共にマーケティングに取り組むか?コミュニティブランドVECTORという考え方

このように、マーケティング価値は大きく6つに分けられます。企業視点では注目されることの多い価値ですが、ではこの価値を実現していくために必要なことは何なのでしょうか?

マネジメント価値→マーケティング価値

マーケティング価値を実現していくには、その手前の土台がないと絶対に不可能です。

その土台こそがマネジメント価値なんです。図にするとこんなイメージ。

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なので、まずは土台づくりとしてマネジメント価値を上げていかないといけません。ユーザーやメンバーの満足度・熱量を向上させていくことに注力していきます。

コミュニティ全体の熱量がある程度高まると、自然とマーケティング価値が生まれます。おそらく、運営が意図しないタイミングで発生するものかなと。

発生したタイミングで、さらにマーケティング価値を上げる施策を打っていけば、効果が最大化されるのではないかと思っています。

ただ、マーケティング価値が生まれる瞬間はコミュニティによって異なるため、一概にお伝えすることは難しいのが現状です。

ただ、忘れてはいけないのは、メンバーがあってこそマーケティング価値が生まれるという事実。マーケティング価値を見据えて取り組むのは悪いことではありませんが、その手前を無視してコミュニティと向き合うのは違うのではないかと思っています。

あくまで主役はユーザー・メンバー。それを忘れることなく、コミュニティに取り組む姿勢が必要なんです。

最後に

「コミュニティの価値」と一言で言っても、様々な価値が存在します。おまけにメンバーそれぞれ、価値だと感じるポイントも異なってくるでしょう。

ただ、コミュニティ運営者として、「どの価値を特に高めていくか?」「高めていきたいか?」を考えて、コミュニティ設計・運営をしていくのは必要だと思います。

あなたのコミュニティでは、メンバーにどんな価値を感じて欲しいと思っているのか?結果として、どんなマーケティング価値を生み出したいのか?

その問いと向き合ってみることをオススメします。

それでは!

文章編集:北村有さん(@yuu_uu_

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